大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
…ガシャン。

…運命のいたずらとはまさしくこの事だと思った。

こんなにも会いたいと願っていた羽菜が、今目の前にいる。


でも、この状況は明らかに良くない。

自分がした事じゃないとはいえ、明らかに羽菜に誤解をさせる状況で。


「…羽菜?!」

そう呼んだのに、羽菜は走り去ってしまった。


「多田さん、離してくれ、羽菜に誤解させた」

「イヤです、絶対離しません」


「いい加減にしろ!」

「?!」

オレは腹が立って、多田さんと突き飛ばした。

多田さんはその勢いでよろめき、オレから数歩後退した。


「オレの事は諦めろ。オレには羽菜しかいない。

羽菜が居なきゃ、生きてる意味がない、それくらい好きな人なんだ。

もうこれ以上、俺達の仲を壊さないでくれ」


「博さん!!」

多田さんの言葉は、もう耳にすら入ってこなかった。

…羽菜を追いかけ、駅に向かって走った・・・。
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