大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
・・・その夜は、博さんが私の家にそのまま泊まった。

今まで離れて多分を取り戻すかのように、

たくさんたくさん抱き合った。


…二人でいる時間を満喫しながら、

私はずっと疑問に思っていた事を博さんに問いかけた。


「博さん」

「・・・ん?」


「私が現場に顔を出した時、スッゴク怖い顔で見てましたよね?

…気が立ってたからですか?…私がいると、邪魔だし」


後ろから抱きしめられた体勢。

ベッドの中で密着している為、博さんの方は、あえて向かなかった。


「あ~・・・あれな」

言葉を濁し、博さんはそれ以上何も話さない。

…今、博さんはどんな顔をしているのか?

私にはわからない。…本当に嫌だったんじゃないかと不安になる。


「あの・・・ごめんなさい。もう現場には顔出しません」

「ちがう!」

「・・・え?」

「違うんだ、苛立ってたとか、嫌だったとか、そんなんじゃない」

意味ありげなその言葉に、私は静かに、博さんの方に寝返りを打つ。
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