大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
…お弁当を食べ終わり、私は訪問先に行くべく、

立ち上がった。

「これ、オレが持って帰るから」

「・・・ありがとう」

博さんはお弁当の入ったカバンを持ち上げ、そう言った。


「それじゃあ、午後も頑張ってくださいね」

「ああ、羽菜も」

「はい!・・・それじゃあ」


私は笑顔で博さんと祐司君に手を振り歩き出した。


「羽菜!」

「・・・え?」

少し離れたところから、博さんが大声で私を呼んだ。


「仕事終わったら、現場に来れるか?」

「…現場に?・・・何でですか?」


「ちょっと」

「…分かりました、仕事が終わったら、現場に行きますね」


…なぜ、現場に行かなければならないのか、その理由が知りたかった。

でもあいにく、ゆっくり聞いてる時間がなかった。

訪問先に行く時間が迫っていたから。


もう一度手を振った私は、訪問先に急いだ。
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