大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「それがだな・・・」

なかなかその先を言わない博さん。

私はなんだかそわそわしだす。気になって、気になって。


「博さんなんなんですか?」

そう言って博さんを問いただす。


「まぁ、まぁ、そんなに博さんを苛めないでおくれ」

「・・・?!」

その声に振り返った私は、目を見開いた。

…だって、そこには私のよく知ってる人が立っていて。


「羽菜ちゃん、すまないね、仕事の帰りにわざわざ来てもらって」

そう言って優しい笑みを浮かべたのは、三浦のおばあちゃん。

…そう、私のお客様だ。


「三浦のおばあちゃん…どうして?」

訳も分からず、私は博さんとおばあちゃんを交互に見つめる。


「…なんだい、私がこの家の施主だって事も言ってないのかい?」

そう言ったおばあちゃんは少し呆れ顔。

「エ…この家の持ち主って、おばあちゃんだったんですか?」

驚きそう言うとおばあちゃんはコクリと頷いた。



「息子夫婦とこの家で一緒に住むことになったんだけどね?

古い家だったから、新築にしようと思ったんだけど、そうすると、

家が狭くなるだろ?消防法とかで・・・」

そう言ったおばあちゃんは苦笑いした。
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