大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
9.博さんとの結婚の決め手
『結婚は一生の問題だ。でもだからこそ、

オレの気持ちは、今も、この先もきっと変わる事はない。

羽菜と一生共にできればいいと思ってる・・・

後は、羽菜次第だよ・・・どうしたいか、ゆっくり考えてくれればいい』


そう言った博さんは、それ以上何も言わなかった。

家に帰ってからも、あえて、その事に触れる事はなかった。


すべては私次第。私の気持ちですべては決まる。


博さんの心は広いと思う。

好きで、結婚したいと言ってくれてる。

私もいつかはと考えていても、すぐに踏み出せないでいる。

そんなどっちつかずな私なのに、博さんはずっと待っていてくれてる。


…博さんの事だ。

もし、私が、博さんと結婚しないと言っても、怒る事はない。

ただ静かに、身を引くだろう。

博さんはそんな人だ。




博さんの気持ちに応えたい。

そうは思っても、踏み出せない自分がもどかしい。

「ァチチ!」

そんな事ばかり考えていたら、料理中だと言う事を忘れてて、

うっかり火傷をしてしまった。


「羽菜」

そんな私に気付いた博さんがキッチンに駆け寄る。

そしてすぐに流しに連れて行くと、その手を必死に冷やしてくれた。

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