大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「何言ってんだい、私は最初から、

あの多田さんのデザインは気に入らなかったんだよ。

若いせいかねぇ・・・すべてが洋風化してしまうのも、

どうかと思ってたから、和風モダン?というこの家が、

息子夫婦も大そう気に入ってるみたいだよ」

おばあちゃんは嬉しそうに話していた。


…博さんは、大工としての腕は一流なんだろうな。

そうでなければ、すべてを信頼して任せられない。

私はそんなすごい相手の恋人でいられる事を、誇りに思った。



「…羽菜ちゃん、そんな所に突っ立ってないで、中にお入りよ」

「・・・え」

…そっと覗きこんでいるつもりだったのに、おばあちゃんには、

気づかれていたらしい。


「…羽菜?いつからそこにいたんだ?」

…博さんと言えば、全く気付いていなかった様子。


「…あの、お邪魔したら悪いので、私、帰ります」

そう言って逃げようとしたが、おばあちゃんは急いで私を捕まえると、

ニッコリ微笑んだ。

…普段はとてもゆっくりとしたおばあちゃんの行動を思うと、

驚きしかなかった。
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