大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「施主さんが、羽菜に、博さんと今の家に住んでほしいって、

ちょっと小耳にはさんだんだ。今、羽菜はきっと幸せだと思う。

でも、それ以上に、羽菜を幸せにしたいと思ってる」


「…洋二」


「博さんと別れて、オレと付き合ってくれないか?

前みたいに、羽菜を悲しませない、寂しい思いもさせない。

羽菜を精一杯幸せにする・・・だから」


これは・・・洋二の本心で、精一杯の告白なんだと心から思える。

だからと言って、私はそれに応える事などできない。

私は博さんが好き。・・・いいえ。


心の底から愛してるって言える。


幸せになりたいと思うと同時に、博さんを幸せにしたいと思う。

こんな気持ちになれたのは、博さんただ一人。

この先、もし洋二と付き合っても、そう思う事は絶対にないと言い切れる。



「洋二…ゴメン」

そう言った私は深々と頭を下げた。

応えられないなら、正直に自分の気持ちを伝えなければならない。


「…羽菜、オレ」


「私には博さんしかいないの・・・

歳の差はあるけれど、その年の差がいいと思う。

心の優しい博さんだから、一緒にいると癒されるの。

私の心安らげる場所は、博さんしないない・・・

もし、洋二と付き合っても、そんな気持ちにはなれないと思う。

私は一生、博さんと過ごしていきたいと思ってる」


最後の言葉に、洋二は目を見開いた。

「・・・それって」
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