大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「大丈夫です」

「…羽菜」

オレの手を握りしめたまま、羽菜はニッコリ微笑んだ。


「私が選んで連れて来た人です。

両親が反対するはずありません」


「…ありがとう、羽菜。少し勇気が出たよ」

オレの言葉に頷いた羽菜は、玄関のチャイムを鳴らした。


…間もなくして、玄関がガチャッと開いた。


「お帰り羽菜…貴方が博さん?」

そう言って微笑んだのは、羽菜にそっくりなお母さん。


「はい、初めまして。本名は、中島博之と言います」

そう言って頭を下げた。


「初めまして。でも、驚いたわ。

羽菜が急に結婚相手連れて帰ってくるなんて言うもんだから、

どんな人かとドキドキしたけど、とってもいい人のようね、羽菜」


「うん、博さんとっても優しい人よ」


「あの、これつまらないものですけど」

そう言って菓子折りを、お母さんに差し出した。


「あらあら、こんなに気を遣わなくていいのに・・・

あらこれ満月堂の…私もパパも大好きなの・・・ありがとうございます。

早速だけど、一緒に食べましょう、羽菜も好きでしょう」

お母さんの言葉に、羽菜は頷いた。
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