大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
・・・その後、博さんは、私にその指輪をはめてくれた。

驚く事に、その指輪はピッタリで。

博さんとの出会いが、博さんと恋に落ちた事が。

そして、博さんと結婚することすべてが、

運命意外何物でもないと思った瞬間だった。



…それから1週間後。

博さんのお母さんの命日で、お墓参りに行った。

お墓の掃除をし、花を生け、線香を点け、手を合わせた。


「羽菜、帰ろうか」

「はい」

立ち上がり、博さんが先に歩き出す。

二歩遅れて私も歩き出そうとした。


『ありがとう』

そう女の人の声が聞こえた気がした。

「羽菜?どうした?」

「・・・いいえ、なんでもありません」

私を待つ博さんの元に、小走りで近づき、腕を組んだ。


「幸せになりましょうね、博さん」

「え?あぁ、うん。幸せになろうな」


…きっとあの声は、博さんのお母さんの声のような気がしてならなかった。
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