大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
11.幸せの為のリフォーム
両親の承諾を受けてから、話しが進むのは早かった。

博さんのお父さんの計らいで、最近はされる事が少なくなった結納を、

する事が決まり、私の実家で執り行われた。


「博之には母親がおりません。

何かと至らない点があると思いますが、母親代わりに叱ってやってください」

博さんのお父さんが、私の母に言った。


それを聞いた母は、一瞬目を見開いたが、すぐに微笑み頷いた。

「勿論です。結婚すると言う事は、私の息子になったと同じ事です。

私たちには、息子が出来ませんでしたから、喜んでお受けします」


母の言葉に、博さんのお父さんは、満足そうに微笑んだ。




その後は、結婚式の段取りを進めると同時に、

三浦さんから譲り受けたあの家のリフォームについて話し合いがもたれた。

三浦さんは、好きにしてくれていいから、話しに参加はしないと言って。


「博さん」

「・・・ん?」

「この家の外観を、そのまま残すように、手直しだけしてもらう事って

出来るんですか?」

私の言葉に、博さんは笑顔で頷く。


「大分色んな所が痛んでいるから、それに似た素材を選べば、

十分可能だよ。…中の方はどうする?」
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