大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
…現場監督が決まったのは、つい昨日の事だった。

工務店側は、最近入ったばかりの現場監督を、

この家に着けるつもりでいた。

大工はオレだし、オレが担当すると、その他の業者も、

自然と熟練の業者ばかりが顔をそろえる。

いい勉強になるからと頼まれたので、快く承諾しようとしたが、

そこに岡田が来た。


「待ってください、その監督の件、オレに任せてもらえませんか?」

「…岡田」

…オレも、羽菜と同じ気持ちだった。

大事な婚約者の元カレだ。

まだ籍も入れていないこの状態で、岡田を羽菜に近づけたくはなかった。

羽菜も、岡田には手を焼いていたし、何より、

岡田はきっと、まだ羽菜の事を好きだろう。

もし、羽菜と何かあったら…そう思うと、尚更近づけたくない相手。



「飯塚さん(一級建築士)、2人で少し、話しをさせてもらえませんか?」

岡田の勢いに、飯塚さんは溜息をつき、頷くと、部屋を出ていった。


「岡田、今回は、新人にやらせようって事で、話しはついてる」

オレの言葉に、岡田は首を振る。


「オレに、償いをさせてください」

「…償い?」

オレは眉間にしわを寄せた。
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