大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

博之side

その日、家に帰ったのは、夜の10時。

遅れを取り戻すことで一生懸命になったせいで、

帰るのが遅くなってしまった。

駐車場から上を見上げると、部屋の明かりはまだ、

赤々と灯っていた。


…ガチャ。

鍵を開けると、思わず目を見開いた。

「どうした、羽菜?」

玄関先に、羽菜が座っているではないか。

オレは慌ててそこに近づき、羽菜の顔を覗きこむ。

…いつからここにいたのか。


「…博さん」

オレに気づいた羽菜は、バッとオレに飛びつくように抱きついた。


「…羽菜?」

「今日は、ありがとうございました」

「・・・ん?」


「仕事忙しいのに、無理してきてもらって」

「…いや、別に、無理はしてない。…羽菜と一緒に住む家の事だ。

2人で考えないとな?」

そう言って微笑めば、羽菜も嬉しそうに微笑んだ。
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