大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

羽菜side

…結婚式3日前。

私は会社に行けなくなるほど、体調が悪化していた。

めまいが酷く、起き上がる事もままならない。

そんな私を、お父さんとお母さんが、両側から支えて、

車まで連れて行くところだった。


「…妊娠していた事、何でもっと早く教えてくれなかったの?」

心配そうな顔で、お母さんが言う。


「こんなに体調が悪くなる前に、もっと早く教えてくれればよかったんだ。

…全く、博之君は、何をやってる?羽菜がこんなにも苦しんでるのに」

お父さんはそう言いながら、かなり怒っていた。



「博さんは…何も悪くないから」

ボヤケル視界の中、そう呟いた。

お父さんが後部座席のドアを開けた。


「…羽菜!」

その声に、お母さんとお父さんが視線を向ける。

私もボヤケル目を何とかそちらに向けた。


「博之君、今まで何してたんだ!」

お父さんの檄が飛ぶ。

そこに立っているのが、博さんかどうか確認する前に、

私は意識を手放してしまった。
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