大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
お父さんたちが出ていった頃、私はようやく

目を開けた。

「…羽菜!・・・目が覚めたんだな。

調子はどうだ?」


私に気付き駆け寄ってきた博さんは、私の手をギュッと掴む。

・・・その温かな手に、目頭が熱くなる。

博さんが私に触れてくれたと言う安堵感と嬉しさで。


「…博さん」

その手をそっと握り返すと、博さんは顔を歪ませた。

「…ゴメンな…ゴメン…大事な話があるって、手紙書いてくれてたんだろ?」

「・・・何で、それを?」


…差し入れの時、書いた手紙は出せないまま、

いつもゴミに捨ててしまってたのに。


「勝手に勘違いして、嫉妬して、怒って…羽菜をこんなにも傷つけた」

「・・・勘違い?・・・嫉妬?・・・意味が分からない」

…今までの事を思い返しても、思い当たる節がない。


「岡田が、羽菜の肩に腕を回してた・・・

2人がそんな関係じゃないって分かってたはずだった。それなのに、

どうしても過去が邪魔して、勝手に勘違いしてた。元に戻ったのかと」


「・・・だから、私に現場には来るなって言ったの?」

私の言葉に、博さんは頷いた。
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