大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「羽菜」

私を優しく揺すって起こしたのは、博さんだった。

目を開けた私の目に博さんが飛び込んできて、

思わず博さんに抱きついた。


「博さん寂しかったです」

「・・・・」

その言葉に、博さんの反応はなく、私を見る博さんの目は、

とても冷たくて、それ以上の言葉が出なかった。


…この1年、私はとても幸せだった。

家にいる時は、家事も育児も、疲れてるのに協力してくれる博さん。

その優しさが大好きだった。


それなのに、何で、そんなに冷たい目をしてるの?


「…博さん?」

「ゴメン、もう終わりにしよう」


「…ヤダ、待って!」

泣き叫ぶ私を、博さんは何も言わず黙って家を出ていってしまう。


「博さん…博さん」

何度も何度も博さんの名前を呼びながら、泣き続けた。
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