大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「どれだ?…おい、祐司、こんなに雑な仕事してんじゃねぇよ」

「・・・え、そうですかね?」

オレの言葉に、首を傾げる祐司。

オレは溜息をついて、祐司に諭すように言った。


「屋根の下地だぞ?もっと丁寧に打っていかねえと、

この先何十年も持たせられないだろう?」

「・・・あ、そうですよね」


オレの言葉にハッとした祐司。

…まだまだ、駆け出しの祐司には、教える事ばかり。

でも、初めの頃の自分と重なる事も多いせいか、

見ていてもいやにはならない。

初心に返れるから、返っていいのかもしれない。


・・、屋根の板を半分ほどうち終わり、

午前の休憩に入る。10時と、3時に、ちょっとした休憩に入るのは、

この仕事の常識。

「祐司、休憩に入るぞ」

「あ、はい。これだけ済ませたら下ります」

祐司の言葉に頷いたオレは、下へと降りて行った。


汗を拭き、溜息をつく。

5月に入り、暑さも増してきた今日この頃。

休憩も大事な事だと思い知らされる。

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