大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「現場に戻ったら、その、博さんの彼女さんが居ました」

「…羽菜が?」

赤で止まった車。オレは助手席に座る祐司を見つめた。



「現場監督と一緒でした」

「…監督と?」

…現場監督と聞いて、あまりいい事ではないと悟ると、

顔が一気に曇る。


「なんだか、凄くイイ雰囲気と言うか・・・

お似合いって言うか…二人の世界で・・・」


「その中に祐司は入ったのか?」

静かに問いかけると、祐司は首を左右に振る。


「まさか、2人がいなくなってから、道具を取りに入って、

帰って来たんです・・・

あの二人って、知り合いなんですか?」

不安げな顔でオレを見た祐司。

オレはフッと笑って、何でもないと言う顔をする。


「元恋人・・・だったらしいよ」


「…博さん大丈夫ですか?

…現場監督の方が若いし、イケメンだし・・・」


「オレが不細工だって言いたいのか?」

「いや、違いますよ!・・・でも、相手が相手なんで」
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