大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
7.博さんの気持ちが分からない
・・・会いたい会いたい会いたい!

もう何度の言葉が思い浮かんでは消えているか?

甘い夜を過ごした次の日から、私は博さんと会えずにいた。


その理由の一つ目は、私がずっと違うエリアに行っているせい。


もう一つの理由は、博さんの仕事が忙しいせい。

毎日朝6時から、夜の10時まで、ずっと現場から離れられないのだ。

今の現場も忙しいのに、工務店の急な新規のお客様の為に、

急ぎでリフォームをしているところだった。大工仕事が終わるのに、

最低でも10日、最長で1か月はかかると言う。


その合間に、今の現場にも足を運ばなければならず、

私に会う暇など、博さんにはないのだ。実際、寝る間も惜しいくらいに。


…電話も、…メールも、一切ない。

私からしようかな?そう思っては見るものの、博さんの事を考えると、

なんだか悪い気がして出来なかった。



「それって浮気なんじゃない?」

「・・・まさか!・・・まさか、そんなわけないじゃない」


浮気。その言葉に敏感になっているのは事実。

でも、職人は、会社員と違って、時間はあってないようなもので。

日曜祝日も、仕事に行っている事を、私は知っている。

父親がそうだったから。
< 90 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop