ドキドキ
振り返ると何か言いたそうな葵。

「ん?」

「あ、あのね、あの・・・」

「?」

とりあえず、待つ。

すると、顔を真っ赤にした葵が

「あ、明日、お弁当・・・作ってって・・・いぃ?」

モジモジしながら言う。


え・・・・?

マジで・・・・?


いや、かなり嬉しいんですけど。


って、俺、こんな幸せでいいの????


フリーズする俺に

「あっ、ごめんっ、迷惑だよねっいきなり・・・・今の、忘れて!」

「ちっ違うって、ごめん、嬉しいから!」

前言を撤回しようとした葵を止める。

「え・・・・・?」

今度は葵がフリーズ。

「朝早起き、大変じゃない?」

「だっ、大丈夫!」

「じゃ、楽しみにしてる。」

優しく笑って言うと。

葵も照れ笑い。



「じゃ、な。」

「うん。また明日ね。」

「・・・・・・」


そう言ったまま動き出さない俺。

いや。名残惜しいっていうか、なんていうか・・・

帰るって言ったの俺じゃん・・・


動き出さない俺を不思議に思ったのか、きょとんとした葵。


その顔も、かわいかったり・・・


ダメだ、俺、はまった。


葵の腕をつかむ。


「しゅ、修ちゃん・・・?」


ゆっくり、顔を近づけ、キス・・・・・


ちゅっ


した場所は。ほっぺ。


ぽかんとする葵。


「じゃ、」


それだけ言って、走って帰る。


そのまま、家の前に立ち尽くす葵を背に・・・・


腕つかんだとき、小さく震えてたから。


ホントは抱きしめて、ゆっくりキスしたかったけど。


怖がらせたくなかった。


俺、一日で葵のこと好きになったよ・・・・

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