ドキドキ

次の日の朝、いつもより早起き。

お弁当、作んなきゃ!


いつもは冷凍食品で済ましちゃうんだけど、今日は頑張って手作り弁当!


美亜ちゃんが「葵の料理は超おいしい!」っていつも言ってくれるから。


料理だけには自身があるんだ。


小さいときにお母さんを亡くして、それからおばあちゃんに育てられたけど、おばあちゃんも中学2年生のときに死んじゃって。


お父さんは仕事が忙しいから、親戚の家に預けられるって話しもあったんだけど、私がイヤって言ったんだ。


家事はおばあちゃんに叩き込まれたから大丈夫!って。


から揚げ、卵焼き、ブロッコリーにプチトマト。


修ちゃんどれぐらい食べるんだろ・・・?


部活もあるからいっぱい食べるよね?



いろいろ悩んでお父さんのお弁当箱を出す。


明日土曜だから修ちゃんのお弁当箱買いに行かなきゃ!






お昼休み。


「葵?お昼は修太郎と?」


「う・・・・お弁当作ってきた・・・」


かばんからお弁当を取り出す。


それを見た美亜ちゃんが・・・


「すごいじゃん!てか修太郎のヤツ~~っ!」


と怒り出した。


え・・?


それを見ていた真奈美ちゃんが


「頑張ったねぇ!葵!修太郎喜ぶよ!」

と私の頭をなでてくれる。

「へへ・・・」


美亜ちゃんと真奈美ちゃんは私のお姉ちゃんみたい。


二人とも背が高くて、細くて、美人さん。

おしゃれだし、大学生の彼氏が居るし。


そんな二人がなんで私の友達なのか不思議に思うときがある。


「修太郎のヤツ、うらやましすぎるよ。ウチらの葵、取りやがって・・・」

とか美亜ちゃんがブツブツ言ってる。


「ほら!葵、行って来な、修太郎待ってるよ。」


真奈美ちゃんに背中を押され、教室を出る。



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