1000の雫
なんというか、満天の星空をひっくり返したような、天と地が一緒になった空間だった。
「~ってー。はぁひどい目にあった、
というか俺のせいか」
声のする方へ、後ろを振り向くと先程の男が腕を回しながら困った顔をしていた。
「うーん、何から話せばいいやら…とりあえず話を聞いてくれ…えっとー」
少しバツの悪い顔をしながら、ちらちらとこちらをみてくるのでなんとなーく
あぁと気づく
「…み、翠…」
名前を言うと、少しぱぁと男の顔が変わったので正解だったらしい。
「翠、俺はあるものを探してるんだ…」
「探し物…?」
怪訝な顔をし、それが自分にどう関係しているのか、男の次の言葉をまった。
下を向いていた男が意を決したように翠の顔を見つめ。本題に入るために口を開いた。
「実は、、翠お前らしい」
「なんっじゃそりゃー!!」
「ぐはっ!」
気づいたら翠のハイキックが男に炸裂していた。
「あんたね~本当にブッ潰すよ」
「ちょ…ち、違う!言い方間違った」
「はぁ??なんなの?」
「…翠、今日頭に何か落ちなかったか??」
「え??……あ」
「やっぱりか」
がくっと男は頭を垂れた。
「え??ど、どーゆーこと?」
話の流れに全然ついていけない翠をよそに絶望感に浸っている男は、また話を続けた。
「つまり、その頭に落ちたものが俺の探し物で…」
「で…??」
「翠、お前の中に入ったらしい。」
「何いって…!?」
その瞬間
ふわっと周りが明るくなっていていった。
自分を中心に白い光が広がっているような、そんな気がして身体を、手を見てみるとやはり光っていた。
光っているせいで半分透けてるような気もする。
「なんなの…」
「そう、その光の元がお前の中に馴染んだらしい。だから」
「だから??」
「協力してほしい。」
男がそういうと、あたりは闇に包まれ何も見えなくなった。