1000の雫
「あれ?ここ学校、しかも中学の…中庭!?」
闇が晴れていき、辺りがはっきりと見渡せるくらいになったとき翠の視界には懐かしい風景がみえていた。
「これから、その協力してほしいことをいうから、とりあえずついてきてくれ」
「わかったけど…あんたなにやってんのよ」
先程から肩に違和感があるので見てみると
男の手が置いてあり、ついでに翠の後頭部に男がおでこをくっつけていた。
「いい加減はなれなさいってば!」
なかなか離れない男をどけようと腕をまわそうとした。
「わ!動くなって!
こーしないと、気配を感じないんだよ」
「どうゆうこと?」
がっちり固めて動けなくなった翠は怪訝な顔をしていたのだが、
徐々に何かの気配がするような、何かその方向にあるような不思議な感覚がしてきた。
そして手を見てみるとすこし透けて光っていた。
「!?」
「なるほど、あっちか!!」
ばっと男が翠から離れると、翠も感じていた方向に走っていった。
「ちょっと!!!
…ってあっちって、確か図書館のほうよね…」
何が何だか分からないが、
何かあるのは確かなので翠はとりあえず男の後をついていくことにした。