ちょっと斜めな“おとぎ話”(短編)
やがて物語は佳境に入る。
王子様が魔王の城にやってくるシーンである。
女の子は、ここから最後までが一番好きなのだ。
何度も何度も読んでもらったのに、いつも変わらずドキドキする。
「三日三晩、魔王と戦った末、とうとう王子様は魔王を倒しました」
「わーいっ」
女の子はパチパチと手を叩く。
そんな女の子をお母さんは微笑みながら見つめ、ラストシーンへと読み進んだ。
メニュー