あの日、あの時、あの場所で

読めない心



「逃げちゃダメだ、ダメだ!
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃ…」




アキラくんが横へいる緊張と
蓮次郎への突然の思いを
誤魔化すため、

苺はいつもの調子を心掛け
口を開いた。





「あっ、アキラくんごめんね??苺のハンカチ使いなよ。
でも蓮次郎、蓮次郎の決め台詞は『火元はお前だ!!』でしょ?
どこのドラマと間違えたのよ★」




……うん、いつもどおり♪





「水川さん、詳しいね。蓮次郎と幼なじみなんだっけ?」



そう言ったアキラくんが
寂しそうな顔をした。




どうして…

どうしてそんな顔するの?


アキラくん…







< 12 / 42 >

この作品をシェア

pagetop