あの日、あの時、あの場所で
読めない心
「逃げちゃダメだ、ダメだ!
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃ…」
アキラくんが横へいる緊張と
蓮次郎への突然の思いを
誤魔化すため、
苺はいつもの調子を心掛け
口を開いた。
「あっ、アキラくんごめんね??苺のハンカチ使いなよ。
でも蓮次郎、蓮次郎の決め台詞は『火元はお前だ!!』でしょ?
どこのドラマと間違えたのよ★」
……うん、いつもどおり♪
「水川さん、詳しいね。蓮次郎と幼なじみなんだっけ?」
そう言ったアキラくんが
寂しそうな顔をした。
どうして…
どうしてそんな顔するの?
アキラくん…