あの日、あの時、あの場所で
突っ立ったままの苺に
蓮次郎は駈け足に近付いて
手を引いた
「とにかく、歩いてじゃあ遅い。俺の消防車に乗れ!!」
言われるがまま消防車の助手席に座ってシートベルトを締める。
……初めて
………私、初めて消防車に乗った……
ボケッと惚けていると
いつの間にか
三日月病院に着いていた。
「……」
モモの心配より
消防車に乗れた事に
感動してしまった自分に
一瞬戸惑いを覚えた。