あの日、あの時、あの場所で

揺れる思い




結局誤解は解けずじまいで
放課後になってしまい、

苺は鬱々とした気分で帰途についていた。




「つまり犯人は貴女しかいないんでしよ。」


帰り道の断崖絶壁で
蓮次郎の声がした。


慌てて隠れる苺。



「仕方なかったのよ!!あぁするしか…殺すしかなかったのよ!!」

女の人がじりじりと後ろに下がる。




「私もあの人の所に行かなくちゃ…」

そう言って飛び降りようとする女の人を蓮次郎は強くぶった。


「馬鹿野郎!!死んだって被害者は帰って来ないんだ!!
…貴女は生きるんです。生きて罪を償うんです!」


女の人は泣き崩れた。





蓮次郎…


いつも「ゴチになります!」とか言ってる所しか知らなかったけど


あんな真剣な顔もするんだ…




苺の中で蓮次郎の存在が段々と変わっていった…




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