恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
強引な言葉をかけられて、あたしは思わずうなづきそうになってしまう。


「何言っているのよ、あたしは誰のものでもないわよ」


「そうだよ! 月奈ちゃんは美影より僕のほうがふさわしいしね?」


白堵が横から口を挟み、美影に睨まれている。


そんなやりとりを見ていると、陽菜ちゃんは不意にプっと噴き出した。


さっきまで切なそうな表情をしていた陽菜ちゃんが笑ったから、あたしは驚く。


「あははっ! なんか、こういうやりとりを見るの、懐かしいなぁ」


そう言って、目じりに浮かんでいた涙をぬぐう。


「妖精っていいわよね。無邪気で、裏表がなくて。でも、それぞれ個性もあって。なにより、可愛いし?」
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