恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
普段からイケメンと関わることなんてめったにないから、衝撃的な出会いを期待していた部分はある。


きっと、それがあんな形で現れたんだ。


「あんなイケメンがレジの中にいたら、バイト毎日頑張っちゃうしねぇ」


ごろんっとソファに寝転んでそうつぶやく。


そのまま真っ白な天井を見上げていると、徐々に睡魔に襲われてきた。


そっと目を閉じると、ちょうどお風呂のお湯がたまったと知らせるアラームが鳴り出した。


でも、あたしは起きなかった。


お湯は勝手に止まるし、せっかくの睡魔を逃したくなかった。


「おやすみ、美影」


夢と現実のはざま、あたしは小さくつぶやいた……。

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