恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「『彼氏』って響き、いいよねぇ」


あたしはそう呟き、ぽーっと秋生さんの顔を思い浮かべる。


「まぁね。特別な感じ、するよね」


うんうんと頷き、腕組みをする和心。


『彼氏』とか『彼女』とか。


一度でいいから言ったり言われてみたりしたかったんだ。


憧れが現実としてここにあるって、くすぐったい気分だ。


「月奈もついに女になっちゃうのかぁ。なんだかさみしいなぁ」


なんて言って、ギュっと抱きしめてくる和心。


「お、女って……」
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