恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「そっか。レジに妖精がいたんだ?」


また、トントンと心地よい包丁の音が響きだす。


あたしは戸棚からお皿を取り出しながら「そうなんだよね」と、答えた。


「で、それが原因で早退?」


「うん。きっと疲れてるんだよね。それで、幻覚が見えたのかも」


「そう? 本当にいたのかもしれないよ、妖精」


「陽菜ちゃん、あたしの言ったこと信じてるの?」


「『言っても信じてくれないもん』って仏頂面してたのは誰? 別に、妖精がいたっていいと思うけど?」
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