恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「そうだね……」


美影の言うとおり、あたしは足元の花にはなかなか気付かずに生きてきたかもしれない。


知らない間に咲いて、知らない間に散っているものが、たくさんある。


「そうだ月奈ちゃん。他の妖精たちに話を聞いてみたらどう?」


左肩にのっている白堵が、思いついたように声をあげた。


「あ、それいいね!」


そうだ、妖精のことは妖精に聞けばいいんだ。


ただ北を目指して歩いていたって、らちが明かない。


あたしは、近くのスーパーへ足を踏み入れた。


ここは古くからあるスーパーだから、妖精がいるに違いない。
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