恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
フサフサの毛、赤色の首輪に金色の鈴がついている。


近づいてきた猫に手を伸ばして触れてみると、長い毛に指が埋もれた。


「わぁ可愛い」


猫は人に慣れているらしく、逃げようとしない。


喉をさすると、ゴロゴロと音をたてて、その場に伏せて目を閉じた。


その表情はとても心地よさそうだ。


けれど、妖精たちは猫が苦手らしく、みんなあたしの座っているベンチんも上へと避難してきた。


「猫、苦手なの?」


「俺たち妖精は、動物全般が苦手だ。人間以上に勘が鋭いから見えて当たり前。下手をしたら食べられてしまう」


クイッとメガネをかけなおしながら、菜戯が説明してくれた。
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