恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
慌てて拾おうとした時、老婆がカッと目を見開いた。


「その宝石は?」


「え……。これは、動物たちが、あたしにくれて……」


「それを持っているということは、噂を知っているな?」


老婆の口調が、険しくなる。


「噂って……妖精が人間になれるっていう……?」


「その通り。動物たちはその噂を信じて魔女を探し回る人間に、宝石を渡してくれる」


「それって、どうしてなんですか? 普通、自分で探しだしたりしますよね?」


「あぁ。最初はそうだった。でも、最近では妖精を見ることのできる人間自体が少なくなった。


妖精たちの間でも、人間になれる噂なんてデマだと言いだすものまでいる。


だから、今では妖精を信じ、ともに行動してくれる人間に敬意を示し、動物が手助けするようになった」

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