恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
棚に向かって体重をかけていたため、キャスターチェアーが後方へと動いた。


「きゃっ!?」


と、悲鳴を上げた時にはもう遅い。


右手でつかんだ童話が手から離れて空中を舞い、あたしは前のめりになって椅子から落ちてしまった。


「いったぁ……」


床に置かれていた本が衝撃で崩れ、本棚からも何冊か分厚い本が落下した。


棚にぶつけた鼻を涙目になって抑えつつ、あたしは落ちた童話を探す。

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