恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
当たり前だろ?


という雰囲気で話すので、もう何度もこうして店内で遊んでいたのだろう。


「あ、月奈!!」


1人で走りまわっていた白堵が、ようやくあたしに気付いて駆け寄ってきた。


少し汗を滲ませて走ってくるその姿があまりに可愛くて、あたしは思わず微笑んだ。


「走るの楽しい? 白堵」


「うん! ここ広いからいくらでも遊べるね!」


人間にとっては小さなコンビニでも、妖精にとっては巨大な運動場になるのだろう。


にっこりと笑う白堵を、思わず、持って帰りたい、なんて考えてしまう。
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