恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
☆☆☆

それから、あたしと陽奈ちゃんがやってきたのは会場から少し離れたデパートの屋上だった。


ここなら、人を気にすることもなく、花火を楽しむことができると思ったから。


陽菜ちゃんに、会場まで行かずにここで見てもいいかと尋ねると、すんなりOKしてくれた。


あたしは陽奈ちゃんに背中をむけて、バッグから4人を外へと出した。


外に出た途端、はしゃぐ白堵。


大きく空気を吸い込む菜戯。


きょろきょろと周囲を見回す汰緒。


そして、あたしの方を見て「サンキュ」と笑う美影。


美影の笑顔にドキッとしながら、あたしは会場がある方向の空をみた。
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