口外禁止!〜王子様のヒミツ〜
一限後、休み時間になりまた、ワイワイと教室が賑やかになった。
「凛ちゃん、ポートシティ行ったんだ!いいな~」
「そうそう。本当大きくてね、一日じゃ回り切れないぐらい」
「じゃあ、今度みんなで日にち合わせて行かない?」
「「賛成!」」
友達といればだいだいどっか行こうって話になる。
遊び盛りの女子高生。
「あっでも、結愛は今、ママ友の家に居候中なんだっけ?」
「あーうん。まあ、大丈夫だと思うよ」
美智子さんのことだから、たぶんOKもらえるでしょう。
「ちょっと、いいかな?」
突然の声に、一斉に皆がそちらを向く。
来たよ。偽王子様ヤロウが……
「悪いんだけど、ちょっと、河本さん貸してもらってもいいかな?」
「え?」
「どうぞ、どうぞ、どうぞ!」
皆して私を相沢くんの方に押しやる。
顔がもうニヤニヤしながら。
別に私たちはそういう関係じゃないんだけど。