口外禁止!〜王子様のヒミツ〜
「どうすんのよ!」
「しかたねぇだろ!!」
思わず叫んでしまったら、叫び返された。
頭の中ではプチパニック発生!
美智子さんは、9時ごろまでパートだし……
外で待ってる?
いや、いくら春だからと言っても夕方ごろからは寒くなるし。
かと言って、そんな夜まで友達に泊めてもらうのは気が引けるし、あとあときっと、面倒なことになる。
すると、さっきまでしゃがみ込んでた琉生がむくっと起きて私のそばを通り過ぎた。
「どこ行くの?」
「お前も来る?」
顔だけ向けて、素っ気なく答える。
むしろ、答えにもなってないけど。
よく分からないが、行く当てもないのでとりあえず、琉生についていくことにした。