口外禁止!〜王子様のヒミツ〜
「お前、まじ一回死んで来いよ!」
スマホを耳にかざし半裸でケラケラと笑う相沢くんの姿が。
普段の相沢くんを知っているからこそ、目に見えるものが信じられない。
むしろ、私は本気で幻を見ているのではないかと疑ったぐらいだ。
相沢くんの視線がこちらへと向く。
「ごめん。切るわ」
スマホを耳から離す。
「あっの、お風呂空いたから」
それだけ言うと、逃げるように部屋を出た。
衝撃の事実に今も尚、動揺が隠し切れない。
「うわ…っ!」
ドアの前で突っ立ったままの私は、背後から侵入してくる腕にしっかりと捕獲され、先ほどの部屋の中へと引きずり込まれる。
着地したのはベットかソファか……