鳥籠の死神
騎士は死神に問いました。



「お前はなぜ、抵抗しない?逃げようとすれば逃げられたんじゃないのか」



死神の答えはこうでした。



「オレが抵抗をすれば、森は一瞬にして灰になるだろう。大人しく従えば森は灰にならず、他の命が助かるなら構わない」



死神は自分より他の命を守ろうとしている。



それは騎士の青年も同じで。



騎士になって国を、国民を、愛する家族を、騎士の青年は守りたいから騎士になったのです。



今目の前にあるのもまた命。



騎士が信じていたものは国であり、王でした。



死神と初めて出会った今日、今まで自分が信じてきたもの、すべてが正しいと思ってきた騎士はショックを受け、初めて現実を突きつけられ悩みます。



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