鳥籠の死神
このまま王の命に従うままで、いいのだろうかと……。



騎士の迷いを感じ取った死神はいいました。



「おまえはおまえの役目を果たせばいい。誰も、責めはしないのだから」

「……お前も?」

「ああ。なのに、どうしてそんな顔をするのか――理解できない」



それっきり死神は黙り込み、辺りを静寂が包みます。



騎士は何もいえませんでした。



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