Salty blood
『食べたい…。』

私は無意識のうちに呟き、その人のそばに近寄った。


細い身体…。
透けるような白い肌…。
爽やかな風になびく、少し長めの髪…。


少し濡れた彼の頬に、そっと手をあててみた。

『…冷たい。』

そして、そっと口唇にキスをした…。


離した瞬間、自然と頬を伝う涙。

悲しくて、幸せな…不思議な感覚がした…。
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