Salty blood
『ねぇ…声を…聞かせて…?』

囁やいた言葉に彼の反応はなかった。


『私の名前…呼んで…?』


ピクリとも動かない彼の身体を少し抱き上げ、私は耳元で囁いた。


『私の名前は“セイラ”…』


微かに彼の口唇が動いた気がした。


『忘れないで…。あなたは私の一部になるの…。そして永遠に生き続ける…。』

ギュッと抱きしめながら呟いた…。


そして、もう一度キスを落とした。



fin
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