Salty blood
彼女の指が僕の首筋に触れる。

ヒヤッとしたのは一瞬でその後は柔らかく温かい感触。

口唇だ…。

そして…鋭い痛みが走った。

『んっ…』

思わず声を漏らした。
それと同時に彼女は牙を抜いた。

『あなたの…薄いわ。』

口唇を赤く染めて不服そうに呟く彼女。
そんな君に僕は言った。

『死んじゃうから…。』

『そう…ね。』

『だから…君の身体の一部にして…。』

そう呟いた後、そっと口唇を近づけた。

重なり合う口唇…。

少し鉄臭い味がした。
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