Salty blood
『たまには薄いのもいいわね。』

僕の口唇を少しだけかじって呟いた彼女。

その瞳は少しだけ揺れているような…気がした。


『名前…教えて…?』

『わたしの…?』

ゆっくりと頷いた僕に君は微笑みながら言った。

『あなたは知ってるはずよ…。』

えっ…!?

僕は君のことは何も知らないはず。

その正体以外は…。
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