Salty blood
『セイラ…。』

その瞬間、自然と溢れ出した涙。

その涙をペロッと舐めた彼女は、『あの時より甘いわ…』っと囁き、嬉しそうに微笑んだ。


『会いたかった…。』

『うん…。』

冷たい風が頬を刺す。

『でも…もうお別れだね…。』

『うん…。』

空はすごく澄んでいる。

『さようなら……セイラ…。』

君に会えてよかった。

心の中でそう呟き、ゆっくり瞳をとじた。

重なる口唇…。


掠れるような、セイラの声…。


『おやすみ…なさい……ヤ…。…いで。…な…るの……』


最後のほうは上手く聞き取ることは出来なかった。




fin
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