生きる為に必要な三つのこと
ひとつめ#日常を楽しむ事
朝、七時きっかりに鳴る目覚まし時計は、非常に朝から私をいらださせる。
小学生の頃に、好きだった人(確かみつる君)に誕生日に貰った目覚まし時計は、可愛いハート柄がちりばめられている、極一般的な目覚まし時計。そんな長生きしている目覚まし時計は、昔は綺麗に「ラララララッ」という、よく解らない音をあげていたのに、今ではどうだ、「バババババッ」なんていう、雑音しか流さない。何なのよ、そりゃイライラもするって。(多分、あたしが壁に投げ付けた事に問題があるのだけど。)
「…あーもー!マミー!何でちゃんと起こしてくれなかったのよ!」
「起こしたのよ。なのに倖子が起きなかったんじゃない。」
「倖子じゃなくて倖って呼んで。倖子の名は捨てたのよ。」
「ママが頑張ってつけた名前を勝手に捨てないでよ。」
そんなこんなで、目覚まし時計は今日も電池をだして床に転がっていた。
多分、私がいつものように投げ飛ばした。悪いね、目覚まし時計よ。
白いラインに白いリボンの今時古風なセーラー服に急いで袖を通す。
切りすぎたスカートは、折らなくても膝上十センチで丁度いい。
ショートボブの髪をとかして、顔をあらって、歯をみがく。
メイクなんて、そんなものはしない!(正確にいうと、時間がない)
鞄にいつもの必需品、携帯、ポーチ、化粧ポーチ、財布をぶちこむ。
教科書なんてものは、学校のロッカーで静かに眠っていることだろう。