生きる為に必要な三つのこと
 
「お気に入りでも駄目。だったら、私も倖子って呼ぶわよ。」
 
「う…。そ、それは嫌…。」
 
「だったら、やめなさい。人にやられて嫌な事はなんとかって、言うでしょ。」
 
「そうだぞ、倖。だから今度から寝坊するなよ。今度は置いてくからな。」
 
「あら、孝。生きてたの。さっきまで干物みたいになってたのに。」
 
「なってねぇから!」
 
 
見てのとおり、あたし達三人は、世に言う仲良しさんだ。
あたしと仲良くなった花と、孝は自然と顔を合わす機会がおおくなる。
二年になる頃には、常に行動を四人で共にするようになってた。
もう一人の、市瀬真(いちせしん)も合わせてだけど。
真は、孝と仲良くなって、やっぱり自然と、あたしと顔を合わす機会が多かった。
仲良くなる切欠なんてそんなもんだ。友達の友達として仲良くなって、結婚する人だっている位だ。多分、家族と居る時間より三人といる時間の方が多かった。
 
 
「………はよ。」

「はよー。もしかして真、今起きたの?」
 
「そうでしょうね。だって集会に居なかったもの。」
 
 
真は、身長182センチと、あたしと24センチも離れてる。
中学校の時に、すでに175センチと、目立つ身長の持ち主だった。
今でも細く長く白く、立っているだけで目立つ存在だ。
一番最初に出会った時の、あの衝撃は、あたしの中ではギネス並。
 
 

「よーし、お前等ー。柳田と春本もきて、全員揃ったなー。今度こそ出席とんぞ。」
 
 

こうして、あたし達の、平凡で異端な一日が始まるのだ。

  
 

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