ラブソングは舞台の上で
12月30日。
今日は劇団エボリューションの忘年会だ。
今日は高田さんや振り付けの石原さんだけでなく、作曲の卓弥さんやこれから大道具を作ってくれるタカさんの後輩たち、衣装を作ってくれるおばさま方なども勢揃いしている。
昼の3時から始まって現在夕方5時半。
みんな完全に出来上がっており、未成年である恵里佳ちゃんと堤くん、そして自粛している私だけが素面である。
晴海は男性陣の中心でイジられキャラに徹しており、今日はまだ挨拶以外ほとんど話をしていない。
一昨日わざわざ心配して自宅まで来てくれたことへのお礼と、メールに気付かず返信をしなかったことへのお詫びをしたいのに、その隙を与えてくれない。
晴海の動向を気にしつつ、オレンジジュースをちびちび頂く。
席の近いマダムたちに「丈夫な赤ちゃんを産める体をキープするためにやるべきこと」を延々と語られ、相槌をうつことに疲れてきた。
マダム年代の人たちは、どうしてこんなに健康の話が好きなんだろう。
「すみません、遅くなりましたー」
今日も5時まで仕事だったともちゃんがやって来た。
私は助けを求めるように彼女のもとへ。
勘が鋭い彼女は私の状況を瞬時に察して、マダムたちから上手く引き離してくれた。