ラブソングは舞台の上で
「晴海もいる会場だったもん。今日は無効でしょ」
私が飲んでても止めなかったじゃん。
大きな声でおかわりって言っても無反応だったじゃん。
避けられてムカついてるのはこっちだっつーの。
どうしてあんたが怒るのよ。
負けじと睨み返す。
「だからって、弱いくせにガブガブ飲んでんじゃねーよ」
「飲みたい気分だったのよ。あんたのせいで!」
何なのよ。
今日の晴海、ちょっとおかしい。
何をそんなにムキになってるの?
「俺のせいって何だよ。性懲りもなく潰れて、ここまで運んでたのが卓弥さんだったらどうしてたわけ」
「それはっ……」
もし私が潰れたら、きっと晴海がどうにかしてくれる。
そんな期待があったなんて言えない。
「潰れれば俺がここに運ぶこと、期待してたんじゃねーの?」
心を読まれたのかと思った。
「そ、そんなわけないでしょ」
「図星じゃねーかよ!」
晴海は怖い顔をしたまま、私をベッドに押し倒し、跨がって、両腕を押さえつけた。